「二次創作」: オタクが原作から離れて別の物語を作る行為
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観光も最初はその無責任さを怒るようになるが、オタク文化は二次創作を認めたように、観光客に向けたまちづくりみたいなのも一部は意識するようになった これはポストモダン社会ではじつに一般的な現象だと言える。オタク文化にかぎらず、現代社会においては、ある作品が、それ自体の価値だけで評価され流通することはほとんどない。あらゆる作品は、「ほかの消費者がその作品をどう評価するか」、そして「自分がこの作品に評価を与えたとして、ほかの消費者は自分のその評価についてどう考えるか」といった、「他者の視線」を内包したかたちで消費されることになる。
それは理論的には、かつてケインズが「美人投票」の例で語り、ルネ・ジラールが「欲望の三角形」という言葉で語り、社会システム理論が「二重の偶有性」と命名した現象である。かりにそれらの言葉を知らなくても、フェイスブックの「いいね!」機能を思い浮かべれば、その本質はたやすく理解することができる。ひとは、気に入った投稿を素朴に「いいね!」するわけではない。むしろ「いいね!」をつけると他人からの評判が上がるものに対してこそ、積極的に「いいね!」をつけていく。そのため、ネットワーク全体で見ると、政治のような、ひとにより賛否が分かれる厄介な話題は避けられ、猫画像や料理画像のような「無害」なコンテンツにどんどん「いいね!」が集まっていくことになる。ぼくたちはいま、「他人の欲望を欲望する」(他人のいいね!にいいね!する)メカニズムが、かつてなく猛威を振るう世界に生きているのである 観光=美人投票でしかないなwtkgshn.icon*3